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歯周病研究論文

歯周病治療・歯周病研究 論文紹介p046(no.191-195)

No.195
Oral and written instruction of oral hygiene: a randomized trial.

Harnacke D, Beldoch M, Bohn GH, Seghaoui O, Hegel N, Deinzer R.

J Periodontol. 2012 Oct;83(10):1206-12.

この無作為、評価者をマスクした、コントロール研究は口腔衛生の書面による指導と比較して、口頭による指導の効果を比較した。

歯周炎の臨床所見が認められない83人の学生が3つの実験群あるいはコントロール群にランダムに割り当てられた。3実験群は、1)指導説明書、2)規格口頭指導、あるいは3)個々人に応じた口頭指導によるものであった。プラークと出血指数が、口腔清掃と口腔清掃技術に及ぼす介入の影響を解析するために評価された。

歯肉出血に関して、群間に有意差があり、口腔清掃技術に関しては試験的に有意差があった。個々人に応じた口頭による口腔清掃指導を受けた被験者は最も良好な結果を示した。

(衛生教育、歯科、口腔保健、口腔清掃、ブラッシング、教育方法)

(ドイツでは70%以上の人が一日に2回歯ブラシをするという。PI>0の人(プラークがある人)は98%で、PI=3の人が23.6%もいる。35から44才のドイツ成人歯肉炎99%、歯周炎52.7%だという。かくして出てくるのは、「歯周病にならないように、あるいは治るような、ちゃんとした磨き方を習得する必要がありますよね」ということだ。

さて、この研究において比較した指導法は

1)書面による指導説明書は、フロッシングやモディファイドバス法が、言葉と絵で説明されている。

2)規格化口頭指導では、同じ内容を模型を使って、指導説明書と同じ内容を説明する。

3)個々人に応じた口頭指導とは、各被験者のおこなうブラッシングにどのような不適切部分があるかをわかっていて、口頭でこれを修正

して、指導説明書と同じ内容を説明している。

これを見ると、そら3)が最も効果的だろうと感覚的に思うが、口腔清掃技術の評価パラメーター(プラークスコア)では有意差はでなかった。一つはPMTCの効果が大きいために差が出なかった可能性がある。結果を見るといずれの群もプラークスコアは減少しているので、まあ言えば、丁寧な指導説明書を読むだけでも口腔清掃技術は、向上するとも言える。)

(平成25年2月7日)


No.194
Poor oral health and coronary artery disease: a case-control study.

Ashraf J, Hussain Bokhari SA, Manzoor S, Khan AA.

J Periodontol. 2012 Nov;83(11):1382-7.

パキスタンのような発展途上国での口腔健康と冠状動脈疾患(CAD)との関連性に関しては十分に研究されていない。この研究はCAD集団における口腔健康の状態を調査することである。

145症例と145コントロールでケースコントロール研究がおこなわれた。CAD以外について問題のない患者(CAD)、とCADの既往もなく、現在罹患もしていない被験者について、残存歯14本以上の被験者が喪失歯、プラーク指数(PI)、地域歯周疾患指数(CPI)を用いて口腔健康状態が調べられた。ケースとコントロール間で研究パラメーターを比較するために、スチューデントt検定、カイ二乗検定、多変量回帰分析が有意水準95%で解析された(P=0.05)。

喪失歯(P=0.027)そしてPIとCPIの歯周パラメーター(P<0.001)に関して研究サンプルに、ケースとコントロール間で有意差がみられた。コントロールに比較して、ケースではPI(2と3)とCPI(3と4)の有意に高いスコアが観察された。サブグループレベル(性別と年齢群)解析ではコントロールよりもケース群では歯周パラメーターの高い有病率が観察された。CADと、PI(中等度から重度プラーク/プラークなし:
OR = 5.04, 95%信頼区間l [95% CI] = 2.24 to 11.36) およびCPIの歯周インディケーター間の非調整で有意なオッズ比(OR)(健康/不良な歯周組織状態:
OR = 4.59, 95%CI = 1.81 to 11.61)スコアが明らかであった。年齢、性別、教育で補正された後、口腔健康の悪い状態に対してケースは1.20のオッズ比であった(95%
CI = 0.93 to 15.68, P = 0.017) 。

社会人口統計学的にマッチさせた今回の研究で、口腔衛生の不良はCADと有意な関連があった。

(冠状動脈疾患、口腔健康、歯周組織指数、プラーク指数、リスク因子)

(歯肉炎はCADリスクを増加させず、歯周炎あるいは無歯顎ではリスクを増加させるという報告があり、今回の研究も同様の結果が得られている。また、歯周組織パラメーターとCADとの関連が調べられて、平均PD、プロービング時の出血部位数、口腔清掃が急性心筋梗塞と関連しているという報告があり、今回の研究でもPDと口腔清掃で関連ありとなっている。今回の研究は、喫煙者や糖尿病という交絡因子を除外し、性別、年齢、学歴の偏りがないようにしており、strctなプロトコールでも口腔清掃と冠状動脈疾患とに関連がみられたということでした。)

(平成25年2月2日)


No.193
Enamel matrix derivative in intrabony defects: prognostic parameters of clinical and radiographic treatment outcomes.

Parashis AO, Polychronopoulou A, Tsiklakis K, Tatakis DN.

J Periodontol. 2012 Nov;83(11):1346-52.

この後ろ向き研究の目的はエナメルマトリックスデリバティブ(EMD)で治療をおこなった場合に、骨内欠損における術後のプロービング深さ(PD)、臨床的アタッチメントレベル(CAL)獲得、レントゲン的欠損回復、を予知できる可能性のある術前のパラメーターを明らかにすることである。

2ないし3壁性骨欠損に対してEMDで対応をおこなった慢性歯周炎患者61人が研究に参加した。記録された臨床パラメーターにはPD、CAL、歯肉マージン位置、縁上軟組織(SST)厚み、セメント-エナメル境(CEJ)から骨頂(BC)までの外科時の距離、CEJから欠損底部までの距離(CEJ-BD)、BCからBDまでの距離(BC-BD)と2および3壁性を構成する欠損深さが含まれた。記録されたレントゲン的パラメーターはCEJ-BC、CEJ-BD、BC-BDの距離とレントゲン的欠損角度であった。術後の評価は12ヶ月後におこなわれた。

術後PDが4mm以上となる可能性はベースライン時PDが1mm増加するごとに1.6倍増加した(オッズ比 [OR] = 1.6; 95%信頼区間
[CI] = 1.2to 2.3)。ベースライン時PDと外科処置時CEJ-BDは統計学的に有意なCAL獲得予知因子であった;ベースライン時PD
(OR = 0.5; 95% CI =0.3 to 0.8)が大きくなるほど、骨欠損 (OR = 0.6; 95% CI = 0.3 to 0.9)が深くなるほど、術後CAL獲得が3mm以下になる可能性が低くなった。喫煙とSSTは欠損回復と有意な関連がみられた。65%以上の欠損回復が生じない可能性は喫煙者で6倍以上(OR
= 6.5; 95% CI = 1.7to 24.5)で、SSTが1mm増加するごとにほぼ2倍であった(OR = 1.7; 95% CI =
1.1 to 2.8) 。EMD処置をおこなった骨欠損において、ベースライン時PDはCAL獲得と術後PDを予知する因子であった。喫煙とSSTは骨欠損回復の予知因子であった。

(歯槽骨骨欠損、歯エナメルタンパク、骨内欠損、歯周組織再生、歯周外科、歯周炎)

(追加など:今回のEMDを用いた成績は、平均のPD減少は4.7mm、平均CAL獲得は3.8mm、そして平均のレントゲン的骨欠損の回復量は67.1%(22.6から93.3%)で、これは過去の報告と同程度であった。PD4mm以下は77%、3mm以上のCAL獲得は54%、骨欠損の回復が65%以上であったのは60%であった。また骨欠損角度が小さいほどCAL獲得が大きくなるという過去の報告があるが、今回の研究ではその傾向はみられたが有意差はでなかったようだ。

そして臨床的に気になるのは術後のPDが4mm以下におさまってくれるかどうかだ。というのもPDが5mm以上になると予後が悪くなるのに対し、4mm以下だと長期に安定しやすく、メインテナンス時に縁下にもアクセスしやすいからだ。今回の結果では、術前のPDがEMDの予後を予知する因子だという結果だった。これって、なんか悲しいことに思える。)

(平成25年1月26日)


No.192
Association of salivary levels of the bone remodelling regulators sRANKL and OPG with periodontal clinical status.

Tobn-Arroyave SI, Isaza-Guzm。n DM, Restrepo-Cadavid EM, Zapata-Molina SM, Martnez-Pab MC.

J Clin Periodontol. 2012 Dec;39(12):1132-40.

この研究の目的は歯周病の状態に関連して、唾液中のsRANKL、オステオプロテグリン(OPG)の濃度とその比率の変化を検討することである。

97人の慢性歯周炎(CP)被験者と43人の健常人コントロールが選別された。歯周組織の状態は全顎の臨床歯周検査に基づいて評価された。sRANKLとOPG唾液レベルはエライザにて解析された。CPとこれらの解析値およびその比率との関連は個々に解析され、2変数ロジスティック回帰モデルを用いて交絡因子に対して補正された。

健常コントロールと比較するとsRANKLとsRANKL/OPG比率は増加していたが、OPGは減少していた。単変量解析はsRANKL唾液レベル6pg/ml、OPG唾液レベル131pg/ml、sRANKL/OPG比率0.062がCPと正の相関のあることを示したが、ロジスティック回帰分析は後者のパラメーターのみが病気の状態と強い、独立した相関を示していた。sRANKLとOPGにおいて、年齢と喫煙の交絡および関連効果は明らかであった。

唾液中のsRANKL、オステオプロテグリン(OPG)の濃度とその比率の変化は歯周組織破壊の量/程度の予知因子として機能しているように思えたが、感受性のある宿主の年齢と喫煙と関連して相互交絡的および相乗的な生物学的相互作用もまたCPにおける組織破壊を促進しているようだ。

(エイジング、骨リモデリング制御因子、慢性歯周炎、診断、オステオプロテグリン、歯周組織健康、唾液、喫煙習慣、receptor activator
of NF-KB ligand)

(追加:receptor activator of NF-KB ligand;RANKLは、破骨細胞や樹状細胞に存在する、その受容体であるRANKと結合して、シグナルカスケードを活性化する。このRANKLの効果はデコイ受容体として作用するosteoprotegrin:OPGにより相殺される。これまでの研究から、健常人と比較して歯周炎ではRANKLやRANKL/OPGが上昇し、OPGが減少していることが明らかとなっている。しかしRANKL、RANKL/OPGとOPGの濃度が、はたして臨床パラメーター(PD、CAL、歯周炎の重症度など)と関連するかについては明確ではなった。それが今回の研究により、臨床パラメーターとも関連している可能性が示された。ただ、年齢や喫煙という交絡因子も存在し、これら因子の相互作用もからんで組織破壊が生じているようだ。)

(平成25年1月22日)


No.191
Adjunctive clinical effect of a water-cooled Nd:YAG laser in a periodontal maintenance care programme: a randomized controlled trial.

Slot DE, Timmerman MF, Versteeg PA, van der Velden U, van der Weijden FA.

J Clin Periodontol. 2012 Dec;39(12):1159-65.

種々のレーザーシステムが口腔内で現在使用されている。ネオジム イットリウムアルミニウムガーネットレーザー(Nd:YAG)は口腔内の軟組織治療について、アメリカ食品医薬品局により認可されている。

この研究の目的は、メインテナンスケアプログラム期間中のNd:YAGレーザーの使用が、手用と超音波装置による歯肉縁下デブライドメント(スケーリングとルートプレーニング、SRP)の付加的治療として、SRP単独と比較して臨床的な追加されるような改善をもたらすかどうかを検討することである。

この研究はスプリットマウスデザインを用いて、診査者盲検、無作為コントロール臨床試験でおこなわれた。中等度から重度広汎型歯周炎と診断された30人の被験者が選択され、メインテナンスプログラム(PMC)に従った。対側4分の1顎に無作為に割り当てられた2ブロックには、SRP直後に5mm以上のポケット全てに対しNd:YAG
レーザー (1064nm、4W、250-μsec pulse)による付加的治療が施された。臨床評価[プロービングポケット深さPPD、ポケットプロービング時の出血(BOPP)]が治療前と6ヶ月後におこなわれた。これらの評価に基づいて、歯周組織の炎症表面エリア(PISA)が計算された。

6ヶ月後、どちらのレジメにおいても臨床パラメーターは有意に改善した。いずれの時点でもPPDとBOPPスコアに、治療方法間で統計学的に有意な差はみられなかった。PISAスコアはこれらの結果を支持した。PMCで治療された5mm以上の残存ポケットについて、Nd:YAGレーザーによる付加的使用は臨床的に有意な有効性を提供することはなかった。

(レーザー、メインテナンスケアリコールプログラム、Nd:YAG、歯周炎、RCT、スケーリングルートプレーニング、治療、超音波)

(レーザーは殺菌、解毒作用、そして歯周ポケット内の歯垢や歯石除去効果がある。初期治療中、SRPの付加的治療として用いられると細菌数は減少するが、3ヶ月後の臨床効果を比較するとレーザーを用いる付加的効果はみられていない。ではメインテナンスではどうかということだ。SPTでEr:YAGレーザーを単独で使用したときに、超音波スケーラ-と同程度の臨床的、細菌学的な成績が得られたとする報告があるが、残念ながら今回研究では、Nd:YAGによるメインテナンスでその付加的な有効性を示すことはできなかった。)

(平成25年1月18日)


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