予防歯科について
お口の中にトラブルが起こってから歯科医院に来院すると、治療が大がかりになったり、費用がかかったりとさまざまなデメリットがあります。特に虫歯の場合は一度歯を削ってしまうと、健康な歯質は戻ってこず、治療のたびに歯が失われていき、最終的には歯を失うリスクが高まります。そのため、生涯にわたってご自身の歯を維持するには、定期的に歯科医院でメインテナンスを受けていただくことが大切です。当院でも患者様に予防への意識を高めていただき、虫歯や歯周病にさせない口腔内環境のサポートをしております。
定期検診の必要性
プラークは、歯ブラシにより除去できます。しかし、歯と歯の間、歯と歯肉の間に入り込んでしまうと歯ブラシだけですべてを取り除くことはできません。その際に補助清掃用具を使う方もいらっしゃいますが、使い方を間違えてしまうと、歯肉を傷つける原因に繋がりかねません。そこで、歯科医院で定期的にクリーニングとブラッシング指導を受けていただければ、お口を清潔な状態にキープし続けられる可能性が高まります。またお口は全身の健康とも密接に結びついているので。長期的には心疾患や糖尿病の予防にもなります。
小児歯科について
乳歯の虫歯も治療が大事です
「乳歯はいずれ永久歯になるから、乳歯に虫歯があっても大丈夫」。実はそのような考えは大きな間違いです。乳歯には将来のお口の健康を導く役割があります。まず永久歯を正しい位置に生えるためのサポートをすること、次に顎の骨の成長を促して咬み合わせを整えることなどです。また乳歯の段階でむし歯が多いと、その口腔環境は永久歯が生えてからも引き継がれます。つまり、大人になっても虫歯になるリスクが高まってしまうのです。
来院時期の目安
生後6～9ヶ月頃から赤ちゃんの歯が生え始めます。できれば、この時期から歯科医院に行くことをおすすめします。早い段階で歯科医院に行く習慣が身に付けば、子育てが初めての親御さんでも正しい口腔ケアを学べるからです。また、状況に応じてフッ素塗布やシーラントなど本格的な予防を行うタイミングもご提案できます。
1歳半ころには「かかりつけ歯科医院」を持ちましょう
歯科検診は1歳6ヶ月のタイミングで行われる自治体がほとんどです。なぜなら、この時期は「歯の本数が増える」「離乳食を3回とるようになる」「おやつやジュースも摂取できる」などむし歯に罹患するリスクが高まるからです。ぜひ早い段階でかかりつけの歯科医院を持ち、正しい仕上げ磨きや虫歯になりにくい食生活の指導を受けて、効果的に虫歯予防を行いましょう。
歯科医院で行う予防
スケーリング
歯石は歯垢と唾液の成分が結びついて形成されます。そのため唾液が当たりやすい箇所（下顎の前歯や上顎の大臼歯）に歯石はよく見られます。歯石は歯垢と異なり、歯ブラシでは除去できません。そこで、スケーラーという器具を用いて定期的に歯石を取り除く処置が必要です。このような治療をスケーリングと呼びます。状況に応じて、手動と超音波の二種類のスケーラーを使い分けます。歯周病菌の繁殖を防ぐうえで、定期的な歯石除去は欠かせません。
ブラッシング指導
自分では磨いているつもりでも、細かな汚れは残ってしまうのがブラッシングの難しさです。歯ブラシが当たってない箇所は磨けてないのとほぼ同じなので、頑張って歯を磨いていても虫歯や歯周病になる方はいらっしゃいます。そこで当院では歯科衛生士が一人ひとりの患者様のお口の状況を分析し、適切なブラッシング方法をアドバイスいたします。
PMTC
歯科医師や歯科衛生士が歯科専用の器具を用いて、歯全体のクリーニングを行うこと。それがPMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）です。磨き残した細菌の塊などを徹底的に除去していくので、口腔内の細菌数が減り、効果的に虫歯や歯周病予防が期待できます。また、歯の表面もツルツルとするので、汚れが付着しにくくなるのもメリットです。
ご自宅で行う予防
ブラッシング
ご自宅でもしっかりと歯磨きを行うことで綺麗な口腔内を保つことができます。歯と歯ぐきの間なども磨くように意識しましょう。
歯磨き以外のケア
歯間ブラシやフロスなどを用いたり、デンタルリンスやフッ素など歯磨き以外でもしっかりお手入れすることで予防ができます。
食生活の改善
日々の食事も大切なお口の予防です。だらだらと長い時間、食事をしていると虫歯が育つ環境ができるので注意が必要です。
定期検診で健康な歯を保とう
虫歯や歯周病は初期段階だとほとんど違和感を覚えず、発見は困難です。そこで、歯科医院で定期的に検診を受けていただければ、虫歯や歯周病を早期発見・早期治療できる可能性が高まります。検診のタイミングは患者様のお口の状況を分析したうえで判断いたします。定期検診に関しては痛みや不快感はほとんどないので、まずは一度当院で自身のお口の状態をチェックしましょう。
