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歯周病研究論文

歯周病治療・歯周病研究 論文紹介p100(no.461-465)

No.465

Familial Tendency as a Determinant of Tooth Loss During Long-Term Periodontal TherapyØystein Fardal , Irene Skau , Jostein Grytten

J Clin Periodontol. 2020 Feb;47(2):213-222.

 歯周治療の長期成功に家族性傾向がどのように影響するのかについてのエビデンスはほとんどない。この研究の目的は、同じ個人の開業医で、治療を受けた二世代患者とそのコントロール患者に対して成績を比較することである。

 患者とその子供は1986年から2017年までの歯の喪失を観察した。マッチングコントロール群は、同じ診療所から、親に対して一人と子供に対して一人を特定した。コントロール患者は歯周病歴を有する近親者をもっていなかった。世代とコントロール群の両群とも同じ歯周治療コースを受けた。マッチング方略はよく知られたリスクと予知因子に関して、可能な限り類似なものとするよう意図した。成績は歯周病で失われた歯の数とし、重回帰によりデータが解析された。

 総数435人の患者が同定された(148人の親、154人の子供と133人のコントロール)。72人の親と61人の子供(133人)は5年以上のフォローであった(それぞれ、平均15.5年と12.9年)。平衡試験はマッチングが成功していることを示した。回帰分析は親の世代はコントロールよりも1.02多く、一方子供は0.61多くの歯を失われたことを示した。

歯周病歴を有する近親者を持つことは歯周治療の長期成績に影響を与える強い予知因子である。

(スケーリング、環境への影響、家族特性、遺伝学、歯周病、予知因子、歯の喪失、治療成績)

「 デンマークにおける双子の研究から、歯の喪失変化のうち36%が遺伝的な要因だと、示唆されている。今回の研究では、親子集団を対象としたが、行動や習慣について、子供に対する親の影響を同定あるいは定量することは難しい。例えば、親が喫煙者の場合は52%の子供も喫煙者であったのに対し、親が喫煙者でなかった場合はこの喫煙率は35.1%であった。

 付着喪失、歯の動揺、ポケットデプスなども治療成績のよい評価項目ではあるが、歯の喪失は簡便で、歯周治療成績の最も信頼できる、最終項目だと著者らは考えている。」

(令和2年7月14日)


No.464

The Importance of Supportive Periodontal Therapy for Molars Treated With
Furcation Tunnelling

Luigi Nibali , Aliye Akcalı , Stefan Gunnar Rüdiger 2019 Dec;46(12):1228-1235.

 3度分岐部病変(FI)は臼歯喪失のリスクを示している。トンネリング処置を施された3度のFIを持つ臼歯の生存を評価する研究は限られている。

 この研究の目的は、UKにおける個人開業医とスエーデンの病院での二人の歯周病専門医によってトンネリング処置を受けた、3度分岐部病変患者集団における、歯周病進行と歯の喪失を評価することである。

 後ろ向き研究が、62人の歯周炎患者で、継続して外科的に作成されたトンネリング処置を受けた102本の臼歯において、少なくとも5年後に(平均7年9ヶ月追跡調査)追跡された。

 トンネリング処置を受けた臼歯の総喪失歯は29.4%であった。変量解析から不規則なサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)p=.039」と年齢(p=.037)に対して歯の喪失は統計学的に有意な関連性を示した。歯の喪失はスエーデンサンプルにのみ生じ、規則的なSPTを受けている人では生じなかった。

 高い歯の喪失割合はトンネリング手術後に観察され、主に規則的なサポーティブペリオドンタルセラピーを受けない患者でみられた。SPT患者における進行した分岐部病変に対して、トンネリング処置と他の治療選択肢とを比較するために、臨床研究が行われるべきだ。

(分岐部、歯周炎、進行、サポーティブペリオドンタルセラピー、トンネル)

「トンネリング処置に適しているのは根のトランク長が短く、根間が大きく解離した歯で、下顎第一大臼歯が最も適していると考えられる。

 今回の研究ではルートトランクが3.6 mm(過去の研究で比較で示されたのは、侵襲性歯周炎と健康な歯周組織ではそれぞれ、6.5 mmと7.1 mm)であり、適応症例を選んでトンネリングしているので、通常より短くなっているのであろう。  

骨頂レベルでの根と根の幅は3mmで、歯間ブラシによる清掃には十分な大きさと考えられる。

 歯の喪失で最も多かった理由は歯周炎の進行で、続いて根破折とう蝕であった。分岐部う蝕は臨床的に発見するのが難しい。分岐部う蝕を進行を抑制するためにフッ化物応用が推薦される。」

(令和2年6月2日)


No.463
Oral hygiene revisited. The clinical effect of a prolonged oral hygiene phase prior to periodontal therapy in periodontitis patients. A randomized clinical study.Preus HR, Al-Lami Q, Baelum V.

J Clin Periodontol. 2020 Jan;47(1):36-42.

 この研究の目的は、3ヶ月の厳格な口腔清掃時期が歯周炎の重要なパラメーターに及ぼす影響を検索することである。重要なパラメーターはプラーク、プロービング時の出血(BOP)とプロービング時のポケットデプス(PPD)である。

 重度歯周炎患者44人が無作為にテスト群とコントロール群に分けられた。テスト群は3ヶ月間の厳格な口腔清掃期を完了した。コントロール群は3ヶ月が過ぎるまで、口腔清掃に関していかなる指導も動機づけも受けなかった。
プラーク、BOPとPPDsは、コントロール群における延長した口腔清掃期間後と同様に、両群ともベースライン時と3か月後に各歯4カ所記録した。

 プラーク、BOPとPPDにおいて、統計学的に有意で大きな減少がテスト群の3か月後に観察された。コントロール群では良好になるような変化はなかった。

歯周治療のために照会された患者で、3か月間の厳格な口腔清掃期は、治療計画に影響を与えるほどに、プラーク、BOPそしてポケットデプスを減少させた。

(口腔清掃、歯周治療計画)

「テスト群とコントロール群間でプラークとBOPに統計学的に有意差が生じている(前者<.0001、後者は.0018)。少なくない人数を無作為に2群に割り当てたにもかかわらずだ。

 この研究では診査2週間前コントロール群には郵送でベースラインの診査を案内したのに対し、テスト群の被験者には同じ2週間前に電話で案内している。どうも、このことで、テスト群の被験者にホーソン効果が現れたようだ。つまりこの2週間の間に、ちゃんと歯を磨いとかないと、頑張ったのではないかと、著者らは類推した。ベースライン時2群間に差はあったけれど、やっぱりテスト群ではプラーク、BOPの減少が大きいことは確認されている。

これを見ると、ブラッシングの技術的な指導も大事だろうけど、単に本人のやる気、実践が上昇するだけでも、プラークコントロールの向上さらにはその結果としての歯肉炎症の改善が大いに期待できるということだ。」

(令和2年4月24日)


No.462
Supportive periodontal therapy in moderate-to-severe periodontitis patients: A two-year randomized clinical trial.Angst PDM, Finger Stadler A, Mendez M, Oppermann RV, van der Velden U, Gomes SC.

J Clin Periodontol. 2019 Nov;46(11):1083-1093.

 この研究の目的は、単独介入として、口腔清掃指導を伴う歯口清掃(テスト群)、あるいは歯肉縁下バイオフィルムの除去/破壊をおこなう歯肉縁下インスツルメンテーションとの組合せた歯口清掃(コントロール群)、で構成されるサポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)を評価することである。

 62人の治療を受けた歯周炎患者(50.97 ± 9.26 歳, 24人喫煙者)が、2年の期間に3か月ごとの、テスト治療かコントロール治療かを受けるように、無作為に割り当てられた。診査は歯周プロービングデプス(PPD)、プロービング時の出血(BOP)と臨床的アタッチメントロス(CAL)が含まれた。一般化推定方程式が解析に用いられた。

ベースラインの人口統計と喫煙は群間で類似していた。しかしながら、ベースライン時平均PPDはコントロール群より、テスト群で大きかった(2.32 mm vs. 2.17 mm, p = .03)が、2年後には同程度になった(それぞれ2.23 mm vs. 2.15 mm)。群間に有意な差はなかったが、時間とともに有意なPPDとBOPの減少とCAL増加が観察された。≥ 5 mmの部位では、性別や喫煙習慣にもかかわらず、PPD減少はコントロール群よりもテスト群で大きかった(p = .034)。アタッチメントレベルの±2 mmの獲得、あるいは喪失部位の分布は群間で同じ程度であった。

 口腔清掃指導単独あるいは歯肉縁下のインスツルメンテーションとの組合せで、歯口清掃はSPT2年の期間まで、以前に獲得された歯周組織状態を維持することができた。

(デンタルスケーリング、長期ケア、メインテナンス、口腔清掃、歯周炎)

「非外科的な歯周治療をおこなって、メインテナンスに移行した場合に、縁下のインスツルメンテーションを行っても、行わなくても、口腔清掃指導とともに歯口清掃をおこなえばアクティブな歯周治療で得られた歯周組織状態は、少なくとも二年維持できる。アクティブな歯周治療時にも口腔清掃指導は当然行われ、SPT期間中も繰り返し行われている。そのことで、検査日だけではなく、日常的にもプラークが減少しているであろう。口腔清掃の改善と歯口清掃が歯肉縁下の細菌叢に恩恵的な影響を与えているのであろう。

≧5mmのポケットは歯周組織破壊が生じやすいとされているが、4mmのポケットでもアタッチメントロスは生じている。逆に≧5mmであってもアタッチメントゲインもある。治療法の選択はなかなか難しい。」

(令和2年3月29日)

No.461
Longitudinal evaluation of periodontitis and tooth loss among older adults.Nilsson H, Sanmartin Berglund J, Renvert S.

J Clin Periodontol. 2019 Oct;46(10):1041-1049.

 この研究の目的はスウェーデンに住む高齢者の12年フォロー研究における歯周組織変数と歯の喪失に関する変化パターンを評価することである。

 高齢者の前向き研究で、臨床的診査とレントゲン的歯科診査がベースライン時(2001-2003) と12年後 (2013-2015)に行われた。375人で、セメントエナメル境から骨レベルまでの距離、≥4
mmと≥5mm以上の部位数と割合、≥5mmのポケットを有する歯の数と割合、そして喪失歯の数が計測された。う蝕が記録された。歯周炎はセメントエナメル境から骨辺縁までの距離が≥5
mmである部位2カ所以上で、≥5 mmポケットを持つ歯が1歯以上と定義された。

 歯周炎の診断は被験者39%で明らかであり、研究期間に被験者の23%が3本以上の歯を失った。≥5 mm以上と≥5 mm以上の骨喪失部位の割合は年齢とともに増加した。その一方で、ポケットのある歯の割合は変わらず残存した。歯周炎は最終モデルで、OR 2.9 (p < .001)であり、3本以上歯を失う最も強力な予知因子であった。

歯周炎は高齢者の、将来歯の喪失に対するリスク因子である。

(疫学、高齢者、歯周炎、公衆衛生、歯の喪失)

 「過去の報告と同じく、平均の骨吸収の割合は年齢とともに増加したが、歯周ポケットの割合は変化しなかった。歯肉退縮が高齢者におけるアタッチメントロスに最も寄与する要因である。そして、このことはポケットの数が年齢とともに増加しない理由なのであろう。

 今回の研究では、平均の毎年の歯の喪失進行は0.15であった。最近のシステマティックレビューとメタ解析の報告では、毎年の平均歯の喪失は0.20であり、>50歳の人では0.23と報告されている。フォロー期間中に歯を喪失する人の、ベースライン時の骨吸収とアタッチメントロスは大きいことが報告されて、今回の研究もこれを追随している。ちなみに、単身者は結婚している人に比較して、より多くの歯を喪失しやすかったそうである。」

(令和2年2月21日)





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